一流のダンサーは一流の探検家
ドイツでの生活も次第に慣れ、少しづつラルフの信頼も得てくると、レクチャーのお手伝いをさせて貰うようになりました。 ラルフが言葉で伝えたものを踊りで見せる事になるのですが、初めはものすごい緊張との戦いでした。ただこれらの経験が、見せたいものを的確に観ている人達に伝える練習になったと思います。
これは非常に重要な事で、多彩なテクニックも豊かな表現も観ている人に伝わらなければ意味がありません。見せたいものの一つを連動する動きの中から強調して伝える事はテクニックを理解しコントロールすることが必要で、それをドイツの大勢の審査員や選手達の前でトライする事は、ダンスを深く追求する事と共に、心臓を強くすることにも多いに役立ったと思います。
他にも有名な選手やコーチャーのレクチャーが沢山見る事が出来ますが、ドイツチャンピオンのブライアン・ワトソン、カルメン組のレクチャーは今でも印象に残っています。
時代を作っていく選手とはこういう人達なのだなと思いました。
空間の捉え方や2人の関連性など、
独創性もさることながら、ダンスを深く追求していく探究心
には頭が下がるばかりで、こういうレクチャーを毎年受けられるドイツの選手達は本当に羨ましい限りです。